こんな人にオススメ
- 話が通じない人との接し方を知りたい
- 人間関係・コミュニケーションに悩みのある人
あなたのまわりにも、話が通じないワケのわからないコトを言う人たちがいるかもしれません。
この本にはその対応方法が書かれています。
話が通じない人とも話せる 傾聴力
概 要
作者: 武藤 清栄
出版社/メーカー: 明日香出版社
発売日: 2010/8/14
目 次
序章 なぜあの人の話は理解できないんだろう
1章 うわべの言葉にひきずられずに理解を深める
2章 好きな人の話に耳を傾けてみるトレーニング
3章 「クセ」がわかれば苦手な人の話も苦もなく聞ける
4章 話を深く聴くための質問
5章 無理なく相手に気持ちを伝える聴き方
6章 聞くだけでストレスになる話のきき方
終章 和解する力をつけよう
要約・書評・感想
「ワケがわからないことを言っている人」の話を理解できるようになるための4つのポイント
![](https://boku-hibi.com/wp-content/uploads/2021/03/man-159771_1280-1024x738.png)
なんであの人の話は、ワケがわからないんでしょうか?
本書ではこう述べています。
ワケがわからないことを言っている相手でも、心のそこにはいろんな気持ちや感情が隠されています。
ただ、それをうまく伝えることができないでいるのです。 P048
一見、全くワケがわからないことを言っているように思える話。
しかしその発言は、
「裏付けされる気持ちや感情があるのに、それをうまく伝えることが出来ない」
だけのようなんです。
うまく伝わらないから、ワケがわからず理解もできない話になってしまう。
では、どうしたら理解できるんでしょうか?
その話を理解するには、
・うわべだけの言葉に流されず
・誤解のないように、
・相手をしっかり理解する必要があります。
本書では話を理解する為の大原則を4つあげています。
- 言葉の意味や脈略を確かめる
- 相手の立場に立ってみる
- 今の気持ちを推し量る
- 相手の「声」に耳を済ます
四大原則を詳しくみてみましょう。
まず①については、言葉の意味がそもそも違うケースです。もちろん話が食い違って理解しずらくなるので、確認が必要になります。
次に②は傾聴の基本ですね。まず相手の立場になって考える。理解する為の第一歩です。
③は相手の気持ち(感情や葛藤を表す言葉)に注目して推測します。気持ちを表す言葉を探し、言葉を理解し返すようにします。
最後に④は言葉だけではなく「声」を聴くということです。「声」には気持ちや感情が現れるので、注意深く聴いてみましょう。
上記の4つの大原則をふまえることで、相手の話を理解する助けになります。
全くワケがわからないように思える話も、相手の感情や気持ちを理解することで紐解くことが出来そうです。
これだけはやってはいけない。話を聴く上でのタブー
![](https://boku-hibi.com/wp-content/uploads/2021/03/brexit-5848446_1280-1024x681.jpg)
話を聴く場合に気をつけなければならないことを、本書ではこう述べています。
話を聴く場合、気をつけなければならないことは、
あくまでも相手が主役だということです。
自分の知りたいこと聞くのではなく、相手が話したいことを聴くのです。
P065
あくまでも、主役は話し手です。
その上で、聴く場合のタブーをいくつか挙げています。
- 責めない。非難しない。決めつけない。
- すぐに自分の話をしない
- いきなりアドバイスをしない
なぜか相手を責めるような口調で話してしまう人もいますし、
非難(否定)で会話に入る癖がある人もいます。
相手に確認もせず、決めつけて話を進めてしまう人もいますし、
人の話を取ってしまって、自分の話にしてしまう人もいます。
一生懸命話を聞く人にありがちなのは、良いアドバイスをしようとすること。
しかしアドバイスは求められない限り するべきではありません。
そもそも多くの人は、アドバイスを求めていません。
おわりに
今回は、「話が通じない人とも話せる 傾聴力」を紹介しました。
本書は題名通り、あなたのまわりにもいる話が通じない人との接し方や
人間関係・コミュニケーションに悩む人に おすすめの一冊です。
要約・書評・感想では取り上げきれませんでしたが、
- 傾聴のテクニック(技術)の紹介とトレーニング方法
- 人の中にある5つのキャラクターに合わせた対応方法
- より良いコミュニケーションを取るための質問の仕方
- 無理なく相手に気持ちを伝える方法(アサーショントレーニング)
など内容は充実しています。
- 話が通じない人の話も、相手の感情や気持ちを理解することで解読できる
- 主役は、あくまでも「話し手」
- 話し手の「クセ」がわかれば、苦もなく話は聴ける
- 質問で話を深く聴く
- 本音で話そう
話が通じない人との対応で、わたしが一番心に残った文章は次の部分です。
上司に同僚、後輩、取引先…職場にはワケのわからないことを言う人たちがなんと多いことでしょう。
こんな人たちと付き合っていたら、ストレスはたまる一方。
けれど、いくら彼らを変えようと努力したところで、他人は簡単には変わってくれません。
そんなことは時間の無駄です。 P044
まさにその通りだと思いました。人は簡単に変えることはできません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
本書では続いてこう述べています。
あなたができるとしたら、彼らのワケのわからない話ぶりから、彼らの真意を探ること。
そこには必ずといっていいほど、意味があります。
あとは自分自身が変わること。
そうすれば、ずっとつき合いやすくなると思いませんか? P044
話し手の真意を汲み取って、自分自身が対応をかえる。
人は変えられませんが、自分のことは変えようと思えば変えられます。
コミュニケーションのキモはここにあるような気がします。
「話が通じない人とも話せる 傾聴力」は発売日が2010年です
10年以上前の本ですが、その内容は十分 今でも使えるものだと思いました。
手に取る機会がありましたら一読の価値ありだと思います。